続・au版iPhoneの通信速度はソフトバンク版iPhoneのそれと比較して本当に速いのか(iPhone 4S発表後)

iPhone 4S発表前にソフトバンクauの速度比較について記事を書きましたが、実際に発表されたら発表前の想定とは異なっていたので改めて調べてみました。

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結論

auiPhone 4SソフトバンクiPhone 4Sよりも通信速度が圧倒的に速い!ということはなさそう。大差がない、むしろ遅い可能性も十分にある。

理論値について

iPhone 4Sソフトバンク版ではHSDPA、au版ではCDMA EV-DO Rev. Aという通信方式を使用することになります。理論値は以下の表のとおりです。ソフトバンクの圧勝ですね。この値はあくまでも理論値なので、参考値になってしまいますが。ちなみに、ソフトバンクiPhone 4はHSPAだったので上り7.2Mbps、下り1.4Mbpsでした。

ソフトバンク au
下り最大 14.4Mbps 3.1Mbps
上り最大 5.76Mbps 1.8Mbps

実測値について

HSDPAとEV-DO Rev.Aを比較したデータが全然見当たらないのでなんともいえませんが、以下の記事のデータが参考になるかもしれません。

この記事ではソフトバンクはHSPA(上り7.2Mbps、下り1.4Mbps)、auはEV-DO Rev.A+(上り9.2Mbps、下り5.5Mbps)の通信方式で測定しています。ソフトバンクiPhone 4Sはこの記事で使用した通信方式よりも速いとされているHSDPA、auiPhone 4Sはこの記事で使用した通信方式よりも遅いとされているEV-DO Rev.Aを採用しています。

つまり、ソフトバンク版はこの記事のデータよりも遅くなることはなく、速くなる可能性は十分あります。一方au版はこの記事のデータよりも速くなることはなく、遅くなる可能性は十分あります。その幅がどれぐらいのものかはわかりませんが、両者の差が縮まることは確実です。


以上のことから、「au版なら確実に通信速度が速くなる!」とは言えないでしょう。測定する環境を整えるのも難しいですし、購入する側にとって通信速度を天秤にかける場合はなかなか悩ましいですね・・・